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上海蟹は特定外来生物法によって厳しく規制されているので、許可を受けた業者を除いて原則輸入禁止です。
現在、国内で上海ガニを輸入できる許可を得ているのは7業者だけです。
許可のない業者は、この7業者から仕入れることはできますが、生きたままの譲渡、販売、運搬はできません。
つまり、上海蟹を通販でも生きたまま購入することは違法になるのです。
しかし、現実では密輸・密売は後をたちません。
上野の水産物販売店では、生体のままで陳列され販売されていることがあります。
このような販売は、特定外来生物法に抵触する可能性が高く、
上海ガニと知った上で購入し自宅に持ち帰った人も、罰則を受ける可能性があります。
◆特定外来生物法違反
3年以下の懲役もしくは 300 万円以下の罰金。
法人は1 億円以下の罰金。
上海蟹は、とても生命力が強く、0度以下でも仮死状態で1週間ぐらい生存し、その後、常温に戻すと元気に動き出します。
この特性を悪用して、同じように仮死状態で輸入されるハマグリやツブ貝などの正規貨物に紛れ込ませ密輸されているようです。
上海蟹の正式名称はチュウゴクモクズガニと言います。
上海蟹は日本人が勝手につけた名前です。
上海蟹が消費されるのは、中国沿海部と香港、それに中国系人が主体のシンガポール、台湾です。
最近、日本でも高級中華料理店などでの需要も増えてきました。
上海蟹は中華料理の高級食材として人気がいですが、ヨーロッパ諸国、アメリカなどでは、沿岸域・淡水域の生態系に甚大な被害を及ぼした事例もあり、
欧米では有害外来生物として毛嫌いされ食する人はほとんどいません。
上海蟹は、1年中出回っていて上海ではいつでも食べることができます。
しかし、もっとも美味しい旬のシーズンは10月〜1月ごろで、日本のズワイガニの解禁シーズンと重なります。
9月〜10月はメスの旬で濃厚な卵を体内にたっぷり蓄えています。
それ以降は卵がやや硬くなります。
見た目はオスより少し小ぶりで、甲羅の腹側のお腹に縦線がなく横線しか入っていません。
11月下旬以降12月にかけては、オスは味噌と白子がドンドン濃厚になるのでオスの旬となります。
ねっとり濃厚な白子が魅力です。
メスよりも少し大きく、お腹の真ん中のカタチが三角になっていることからメスと区別することができます。
上海蟹の脚は細いですが、そんなところにも甘い身がしっかりと詰まっているので、しっかりかきだして食べましょう。
中国では上海蟹は体を冷やすといわれ、ショウガを入れたお酢で味付け、体を温めながらいただくのが基本です。
紹興酒に生姜をいれて食しながら飲んだりもします。
甲羅に詰まった濃厚なミソはクセになるうまさです。
中国の富裕層は上海蟹のカニ味噌をチュッと吸うだけで捨ててしまい、そして1人で5杯も6杯も食べたりします。
上海蟹を堪能したら、あとは甘〜いしょうが茶で締めるのが本流。
安全性が確認され、許可を受けた業者が通販で販売しています。
大手通販会社(楽天)の取り扱いなので、大丈夫だとは思いますが、そこは自己責任になります。
上海蟹に似たモズクガニも販売されているので、間違えないようにしてください。
上海蟹のブランドは太湖産です。
太湖産が最も美味とされているからです。
しかし、中国ではありそうな話ですが、別の産地で獲れた上海蟹を、太湖に数日放し、太湖産として高値で販売しているのです。
こうした手口は「入浴」と呼ばれています。
中国では、工業化が急速にすすんだことで、中国政府は長年に渡り汚染対策を続けてきました。
太湖周辺の工場は厳しい規制が敷かれ水質指標の化学的酸素要求量(COD)は徐々に改善されていたはずですが・・・。
しかし、この太湖産のカニから発ガン物質のダイオキシンが検出されたことで、汚染対策が失敗したのではと言われています。
ダイオキシンは長期にわたって残留しやすいので、今後数年は太湖産の上海蟹のみならず、中国からの食材には注意を払ったほうがよさそうです。
上海蟹に似たカニで、モクズガニがあります。
モクズガニは国産種なので国内で販売しても違法ではないのですが、
一部悪業者がモクズガニを「上海蟹」と『産地偽装』して販売しているケースを見かけることがあるので、注意が必要です。
実際にヤフオク!でも販売されている事例が発覚しています。
日本在来のモクズガニと上海蟹は非常によく似ていますが、環境省は「注意深く観察すれば識別可能である」と語っています。
上海蟹のシーズンを迎えた2016年11月3日に、香港の食品衛生当局は中国江蘇省の水産業者2社から輸入した「上海蟹」から環境基準を超える発がん性物質のダイオキシンを検出したと発表しました。
香港当局は該当の2社からの輸入を禁止しましたが、他の水産業者の上海蟹からも再び基準値を超える発がん性物質・ダイオキシンが検出されたと16日に発表しました。
当局では、サンプルがどちらも酷似していることから産地偽装の疑いもあると説明しています。
日本へは、中国江蘇省の大手水産会社「蘇州秋覇王陽澄湖大閘蟹」が日本向けの「上海蟹」輸出を停止しました。
上海蟹は陽澄湖などで正式な認可を受けて養殖される『大閘蟹(中国語でダーザーシエ)』ブランドが一番高価なのですが、日本では産地に関係なく中国産が上海蟹として流通しています。
そのため、表向きはブランドを守るためにシンガポール、韓国向けのみに出荷するというものです。
これは日本で規格外の偽物と品質問題が起きる前に、対日輸出を自粛したものと思われます。
ダイオキシンは発がん物質で、一旦つくり出されたダイオキシンは消えることなく存在し続けます。
そして脂肪組織に溶け込むことから人間の脂肪部分に蓄積する怖い物質です。
ダイオキシンが発見されたことで中国と香港の水産市場に大きな影響を与えてました。
現在は輸入は解禁されていますが購入するなら、きちんとした許可を受けている業者かレストランで安全性を確認してから食した方がよさそうです。